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【書評】笑いと真剣さ、ドラマチックなノンフィクション『英国一家、日本を食べる』

NHKでアニメ化もされた『英国一家、日本を食べる』。前々から気になっていた本が文庫化されていたので、 Amazon kindleで買って読んでみたらとてもおもしろかった。

英国一家、日本を食べる 上 (角川文庫)

英国一家、日本を食べる 上 (角川文庫)

 

 

英国一家、日本を食べる 下 (角川文庫)

英国一家、日本を食べる 下 (角川文庫)

 

 内容

内容は、イギリスのフードジャーナリストが、家族とともに日本を旅しながら、数々の日本料理ーー日本のB級グルメから懐石までを堪能するノンフィクション。曖昧な言葉がないしっかりした語り口と辛口のユーモアで、序盤から一気に読者を引きこんでいく。

 

魅力1 ドラマがあって面白い。

エンターテイメント小説を読むように読める。トシという日本人の友人に「日本料理のことを何もわかっちゃいない。」と言われ、『Japanese Cooking:A Simple Art 』(辻静雄講談社インターナショナル刊、二〇〇六年)に大きく影響を受けた作者。取材旅行であると同時に家族旅行でもあるので、笑いあり、トラブルあり、とてもドラマチックで惹きこまれる。

 

魅力2 ユーモアたっぷりで敷居が低く、読んでて楽しい。

作者の刺激的なジョークやユーモアは辛口だけれど、本の緩急をつけるスパイスになっている。このジョークやユーモアがあるからメリハリが出るし、シリアスな話題にもついていける。

 

魅力3 日本の食の良い所を評価してくれると嬉しい。

 外国に生まれ育った人に褒めてもらうと、こそばゆい。それも、わかってくれたんだ! と思えるくらい、しっかりと取材されている。

 

魅力4 あくまでも冷静に分析している。

「不思議な英語がスローガンのお店」、「店の果物や野菜がものすごく綺麗に陳列されている」など、良い所だけじゃなく、異文化体験者として冷静に分析、評価していて興味深い。

 

魅力5 食の社会問題にも切り込んでいて、為になるし、話のタネになる。

 海苔の生産量や本物のわさびとは何かなど、地に足のついた取材で、日本人でも知らないようなことを書いている。社会人として教養にもなるし話のタネにもなる。

 

おもしろくて一気に読んでしまった。中身の濃い、笑える本が読みたいなら、この本はいいかもしれない。