ほっぺた落ちる

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【雑記】女のドロドロには苺と檸檬のスムージーを。(無糖クリーム添えで)

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砂糖なしの生クリームほど心躍らせるものはない。この魅惑的カタマリが、苺と檸檬のスムージーに純白のブライダルドレスのごとくふわりと浮かぶ姿は、三十路までに結婚しろだの、年増には価値がないだのとのたまう日本の社会的不文律に苛立っていた頃の私でも、きっとうっとりしたんじゃないだろうか。

 

依然として続く美魔女礼賛の世、結婚後も女の戦いは果てしない。女同士で比較し比較され、時には友情も陰るかもしれない。鏡を見てはため息をつき、シミやしわを慌てて隠す。シミもしわも恥ずかしいものだと誰が決めたのだろう。できてしまえばなかなかに消えないやつらを、もうこの一生は肌に居座っていて構わないわよと余裕で笑える自分がほしい。ここでだれか一言、「女は年齢じゃない。中身だよ」と心から言ってくれたら…!人生経験の深さや人柄、能力や哲学で、本心から女性が選ばれたなら。

 

その意味では、ヨーロッパでは女は四十歳から、なんて勇気のもらえる言葉を聞くと、本当に、全身の傷を癒された気分になる。

 

甘いものでストレスを発散すればひと時の幸せは得られるものの、糖分は人を老化させるし、太らせもする。女は若いのがいいと言われたストレスを甘味で発散すれば、ますます老化していく悪魔的ループ。

 

甘くない生クリームというのは、その切なく腹立たしい事実を見ぬフリしながら食べる必要があんまりない。なんて素敵なのかしら。同時に、このメニューを店で注文した時点で、ヨーロッパにおいてさえシミもしわも気にしている自分に気づくのだけど。

 

くわえてこのスムージーはピンク色だ。この色に染められた視線で見つめられたら男は逃げる人が多いだろうが女は寄っていく。ひと時だけでもキレイ色のスムージーにキュンとして、非悪魔的な生クリームを頬張り満足し、苺と檸檬のシェイクで女のドロドロ感情を爽やかかつ軽やかに洗い流す。初夏のひと時に、これ以上のものはない。

 

中身でつながれる夫婦が結局はいいのだと声を大にして言いたい。男も男で戦っている訳で、そちらに目を向ける余裕も持ちたい。時折おもに空腹時、鬼の形相で怒る私に、「りっちゃんの中身で僕は結婚を決めたんだよ。」となかば強制的に言わせてるかもしれん旦那さんに感謝しつつ、今日も吸いこまれそうに青い空を見上げている。

 

結婚しようとしている妹が仮に私にいたのなら、問いたい。お相手は中身でつながれる人なの、と。苺と檸檬に絡め取られずに最後に残るのは、ドロドロとした感情ではなく、人間的魅力なのだから。